桜並木

ずっと続く桜並木を歩く。
長い桜並木をてくてくと歩いていると、なんとなく桜に話しかけてしまう。
すると、むこうからも語りかけてくる。

去年語ったさくらたちの声が聞こえる。
いや、正確には声ではなく、何かしらの形態を感じられるという事だろうか。
無性に感動する表現を投げかけてくるのでこちらもぐっときてしまう。

さくらはなんと可憐で、はかないのだろう。
日本のさくらをみて、外国人が感動するというのはそのせいだろう。
美しい花も可憐な花たちも世には沢山あるけれども、はかなさを秘めた古風ある美しさを持っている花はきっとほかにないだろうと思う。

日本の風土にあった花であるならば、それは私たちが持っている性質でもあるという事だと思う。
だからその美しさを、自分自身の中に見いださなければならないと思う。
自身の中にあるという事に気づき、認識し、それを少なからずとも表していければ良いだけなのだと思う。
そしてそれがきっと日本人としての良さなのではないか、と思う。

うきうき、そわそわする春を感じるより、しっとりとしたさわやかな春を感じる方が私は好きです。
皆様はどうですか？